こんにちは。
レトロなモノづくりの町、東京・浅草橋にある小さなタフティング&ワークショップスタジオ「Studio dadada(スタジオダダダ)」です。
当スタジオでは、愛知県にある小川染色さんの糸を使用しているのですが、先日、「工場見学なんてできたらいいなぁ~」と何となく検索してみると、「ひつじサミット尾州」というイベントの企画として、小川染色さんが工場見学&タフティングワークショップを実施されるという情報をキャッチ。
「これは絶好のタイミングで、ド真ん中の企画!」
ということで、行ってきました愛知県。

とても勉強になる内容が盛りだくさんの出張になったので、小川染色さんの工場見学を含めたひつじサミット尾州出張編として、前・中・後編の全3回でお届けしていきたいと思います。
今回はタフティングを心躍る体験にしてくれる、大事な糸の”色”にまつわるお話です。
尾州(びしゅう)ってどんなところ?
まずは本題に入る前に、「尾州」という場所について触れておきたいと思います。
尾州(昔の尾張国)は、現在の愛知県西部と岐阜県の一部エリアを合わせた地区のことで、2つの県の間を流れる木曽川をメインインフラ・豊かな水資源として、繊維産業で栄えた世界的にも知名度が高い高級毛織物産地です。
世界三大毛織物産地といえば、イギリス・ハダースフィールド、イタリア・ビエラ、そして日本の尾州と言われているそうです。

▲地図記号のような工場が建ち並ぶ尾州地区の一角
ひつじサミット尾州とは?
ひつじサミット尾州とは、
”ウール生地の産地「尾州(びしゅう)」で、工場見学やワークショップ、ショッピングや美味しい飲食などを通して【持続可能性】を体感できるのが「ひつじサミット尾州」です。”(ひつじサミット尾州 公式ページより)
とのことです。

本イベントには、染色加工会社、生地の企画製造会社、老舗繊維企業をはじめ、酒蔵や多種多様な飲食店まで参加されていました。
内容も、工場見学やワークショップ、物販など、この領域が好きな人にとってはたまらない魅力いっぱいのコンテンツが盛りだくさんでした。
いざ、工場見学!
さて、前置きが長くなってしまいましたが、いよいよ舞台は小川染色さんの工場見学へ。
当日は工場見学&タフティングワークショップともに満員でした。

▲ずっと見てみたかった染色工場と快晴の下でご対面
まずは代表の方の(ユーモアたっぷりの。笑)ご挨拶から始まり、代表直々に工場内をご案内いただきました。
なんでも、小川染色さんで採用している染色方法には
・かせ染色
・チーズ染色
・トップ染色
があるそう。
今や希少な染色機「回転バック」
小川染色さんがかせ染色で使用している「回転バック」という機械はかなり古い機械だそうで、日本でもこの機械を所有している染色工場はごく僅か。世界的にも稀な存在だそうです。
回転バックを使用した染色の特徴を端的にお伝えすると、
「扱いが難しく手間もかかるが、素晴らしい風合いの糸に仕上がる」
ということです。

▲昔ながらの「回転バック」を使った手間がかかる染色を続けている

▲大きいお風呂のような染色層に、かせ糸を竿で固定しつつ泳がせながら染色していく
大きなお鍋でチーズ染色
一方、チーズ染色では「チーズ」と呼ばれる大きなボビン状のものに糸を巻き付けて、三ツ矢と呼ばれる串状のものにチーズを刺していきます。

それを大きな鍋のような形をしたチーズ染色機に装着し、染色していくそうです。
一番大きなチーズ染色機では、1度に200個のチーズを染色することができるようです。

安定した色の再現力
ここまでは、約70年染色業を営んでこられた職人の技術が詰まった染色方法についてでした。
一方で、安定的に色を表現する為、染料の調整にはCCMというコンピュータを使用します。
昔はどの染料をどの程度使って目的の色を再現していくかを、職人が時間をかけて突き止めていたそうですが、現在はCCMを使うことによって安定した色の再現と業務の効率化を同時に実現されていました。

▲理科の実験室のような、目的の色を再現する試行錯誤の後
まとめ
さて、今回は小川染色さんの工場見学で学んだことについて見ていきました。
ここでは書ききれていないことも沢山ありますが、それはまた当店のワークショップなどでお伝えできればと思います。

▲工場見学の終わりには、参加者全員に手作りハリネズミキーホルダーの素敵なサプライズプレゼントが!
次回は、小川染色さん主催のタフティングワークショップに参加した際の様子をお伝えしていきたいと思います!
店舗情報
Studio dadada -タフティング&ワークショップ-
【住所】〒111-0053
※マップアプリで検索する際、ビル名が「頼本ビル」と記載されていることがあります
【公式サイト】https://dax3.jp/
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