こんにちは。
レトロなモノづくりの町、東京・浅草橋にある小さなタフティング&ワークショップスタジオ「Studio dadada(スタジオダダダ)」です。
いよいよ出張編最終回の今回は、小川染色さんを後にし、ひつじサミット尾州に参加されていた他の施設を巡ってきた様子をお届けします。
尾州を舞台に活躍する個性いっぱいの個々のプレイヤーを覗きながら、尾州という地域全体の輪郭をつかんでいきたいと思います。
歴史を知る – 一宮市尾西歴史民俗資料館
とその前に、まずはこの地域の歴史を知ろうということで資料館を訪れました。
この地域では、江戸時代頃から近隣での綿栽培を背景に、農業の閑散期に織物の生産が行われていたそうです。しかし、明治24年に発生したマグニチュード8.0の濃尾地震により、大きな被害を受け、深刻な危機に直面しました。
ただ、これを契機に新しい技術が導入され、明治20年代後半には震災前の倍の生産量に達したといいます。この頃には、綿織物から絹綿交織物へと生産の中心が移りました。
さらに、明治末期から大正初期にかけて毛織物の生産が始まり、第一次世界大戦の影響で毛織物の国産化が進むとともに、生産量が飛躍的に増加していきました。
昭和10年には国内の毛織物生産の6割を愛知県が占めていたそうです。
▲繭から糸をひく貴重な体験ができました
染色整理の艶清興業
その後向かったのは、1920年創業・1950年設立の染色整理の会社、艶清興業さん。
が、残念ながら私たちが伺った10/25(金)は諸事情により不参加とのこと。残念。
▲大迫力の建物。
染色加工のソトー
気を取り直して、次は創業100年を超える染色加工の会社、ソトーさんへ。
国内シルクのスカーフやウール商品、生地の販売がされていて、高品質且つお買い得な商品が目白押しでした。(ダダダスタッフもしっかりここでお買い物)
▲ここのルームソックス、柔らかな履き心地で温かいです。
そして、屋上では「FRIEND SHEEP MARKET」なる学生主体のフリーマーケット・ワークショップ・手作り雑貨販売一体型のイベントが。
ファッション系の学生たちが作ったお洒落なアイテムも。
↓は太い紐?のようなものを編み込んで作ったラグ。ながーーーい1本を編み込んでここまでのサイズにしているそうです。
国際ファッション専門職大学の学生たちによる、ソトーさんの工場で廃棄予定だった端材を有効活用したハンドメイド雑貨も販売されていました。(ダダダスタッフも衝動買い)
色々とお買い物をして、学生から元気ももらい、大満足で次の場所へ。
繊維の発信拠点Re-TAiL
最後に伺ったのは、「せんいのまちで、せんいのビル。」をキャッチフレーズに、解体の危機にあった築91年の繊維組合のビルを再活用した、服飾系のテナントが多く入っているRe-TAiLさんへ。
▲歴史を感じる重厚な佇まいのビル外観
1Fには空間全体が生地・生地・生地で埋め尽くされた「RRR MATERIAL PROJECT」があります。
服飾系の人にとっては宝探し感覚で楽しむことができる空間で、ここでもセールが開催されていました。
また、別の部屋ではプチマルシェが開催されており、なんと当スタジオがある東京台東区・浅草橋のご近所店舗も出品されていました。
▲3Fにもたくさんの生地のストックが。
まとめ
さて、全3回に亘ってお届けしてきた「ひつじサミット尾州出張編」はいかがでしたか?
滞在わずかの弾丸出張でしたが、多くの人やモノと出会えた濃密で貴重な時間になりました。
特に当店で使用している糸について、どのような場所で、どんな人がどんな手法で、どれだけの知恵や経験が活かされてできているのかを知ることができたのは非常に有益でした。
ピンチをチャンスに変える町
尾州にはそんな逞しさ、力強さを感じます。
国内消費の低迷と海外製品との競合で縮小傾向が続く繊維産業ですが、そんな中にあって、古くからの伝統を受け継ぎ、技術を磨き、企業と学生が、人と人とが力を合わせながら創意工夫を続ける尾州を、私たちもいちファンとして応援していきたいと思います。
当店のワークショップにご参加いただく皆様にも、ここで得た情報をお伝えしながら、「タフティングでラグを作る」だけではない、+αの価値を提供できたら良いなと感じた、ある秋晴れの日でした。
店舗情報
Studio dadada -タフティング&ワークショップ-
【住所】〒111-0053
※マップアプリで検索する際、ビル名が「頼本ビル」と記載されていることがあります
【公式サイト】https://dax3.jp/
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